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Советы переводчикам (на японском языке)
児童・生徒翻訳コンテスト参加者のみなさんへ
みなさんはもうコンテストの課題に取り組んでいることでしょうね。
私はこれからみなさんの翻訳をどういう風にすれば文章としてもっと磨きをかけられるかヒントを差し上げます。
1.
まず忘れてはいけないこと。「原文を読んでいるのは自分ですが、翻訳は自分以外の人のために行うということです。」
みなさんが作った翻訳の文章を他の人たちが読みます。ロシア語を知らない他の子どもたちが読みます。ですから、
誰が皆さんの読者になるか頭において翻訳にとりくんでください。
2.
みなさんの文章はわかりやすく、自然なひびきになるようにしましょう。「これ本当に翻訳なの?」とひとが思うような文章のことです。最初から日本語で書かれたように翻訳してみましょう。
そのためには一つ一つの単語ではなく、単語のまとまり、つまりフレーズごとに翻訳しましょう。
たとえば、こういう文例があります。
«Девочка хорошо училась и потому смотрела на других одноклассников свысока».
この例文には翻訳する者がちょっとした工夫をしなければいけない表現 «смотреть свысока»がふくまれています。
もちろん、女の子が山に登ってそこから自分の同級生を見下ろしているわけではありませんね。
この文章をかいた人は、自分が一番勉強できると女の子が思っていることを強調しています。
おなじことを別の表現であらわすことが出来ます «девочка зазнавалась.»
«Смотреть свысока» は慣用表現です。こういうとき翻訳者はどうすれば良いでしょうか。
一つの方法は同じ意味をもつ日本語の慣用表現を選ぶことです。あるいは、もとの意味をくんで «смотреть свысока»を «зазнаваться» や «считала себя лучше всех» におきかえて日本語に翻訳することになります。
3.
日本語の文章で使う単語はまとまったフレーズとして正しく、美しく耳にひびくように文章のなかの位置を決めましょう。
このために翻訳家(作家)は文章を口に出して読む「音読」をします。
翻訳した文章はかならず音読しましょう。そして読んでどこかひっかかるところがないかどうか調べてみましょう。
(もちろん、作家や翻訳家はわざわざフレーズが不自然に響くようにすることもあります。そうすることによって主人公のことばの持つ特別な意味をつたえようとするのです)
4.
コンテストでは短いテキストを翻訳してもらいます。短いテキストと言っても、単語を機械的に置き換えることで立派な文章、豊かな表現に仕上げることができます。
翻訳家にとって大変役にたつのは同義語、つまり同じ意味をもつ様々な表現です。
たとえば «Он брел по дороге»、という表現をとりあげましょう。
«Брел» とは「苦労しながら、ゆっくり前進する」という意味で、おそらくそういう風に日本語に翻訳しようと思ったことでしょう。
しかし、おなじ意味をつたえるほかの単語や表現をさがすことができます。
ロシア語の«Брел»に同じような表現 がどれくらいあるかみてみましょう。
«Он еле тащился по дороге».
«Он едва плелся по дороге».
«Он шел по дороге, с трудом переставляя ноги».
このようなフレーズを使うことで最初の«он медленно шел, с трудом»よりゆたかな表現をすることができます。
おそらく、日本語でもこのように同じ方法で«он брел по дороге»をさまざまな表現に置き換えることができるものと思います。
ロシア語の原文を書いた作家と一緒に文章をつくるつもりでがんばってください。
そうすれば、本格的な文学的翻訳になるでしょう。
マリナ・アロムシュタム, «Papmambook» サイト編集長