Маэда Идзуми сэнсэй: «Попробуем произнести слова иного языка как музыку!»

5 июня 2018

前田和泉先生:≪知らない言葉を奏でてみよう≫

 

言葉というのは人間の基本。食べものや空気や水がなければ生きていけないように、人は言葉なしでは生きられません。でも不思議なことに、それほど人間にとって絶対に必要なものなのに、地球上の人々が使う言葉は何千種類もあり、そのうち一人の人間が理解できる言葉は、ほんのいくつかにすぎず、それぞれの言葉でどれほど素晴らしい文学作品やルポルタージュやメッセージが生み出されていても、その言葉を知らない人には理解できません。どんな天才でも、何千種類もの言語をすべてマスターすることは無理ですよね? ということは、この地球で生み出されているたくさんの素晴らしい言葉たちを、みなさんは知らないまま通り過ごしてしまっているのです。

「翻訳」とは、異なる言葉と言葉をつなぐ仕事です。その言葉を知らない人にも、この文章の素晴らしさを伝えたい!と思う気持ちが「翻訳」の根底にあります。翻訳者とは、たとえて言うなら音楽の演奏家です。どんなに素晴らしい音楽でも、単なる楽譜のままでは、楽譜を読めない人にとっては意味がありません。その楽譜から作曲者の意図や、作品の持つ深い世界を読み込んで、素晴らしい音楽を奏でてみせるのが演奏家の仕事です。その曲をみごとに演奏するのもダメにしてしまうのも、すべては演奏家の腕にかかっています。翻訳家の仕事とは、そういう繊細で芸術的で奥深いものなのです。

複数の言葉を知っている人は誰でも、素晴らしい「翻訳家」=「演奏家」になる可能性を持っています。みなさんもぜひ、ロシア語という言葉を、日本語という言葉で奏でてみませんか?

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前田和泉(まえだいずみ)

ロシア文化・文学研究者、翻訳家.
東京外国語大学 外国語学部 ロシア語学科卒業、 東京大学 人文科学研究科 欧米系文化研究専攻スラヴ語スラヴ文学専門: 修士課程(文学)および博士課程(文学)修了、 現在、東京外国語大学大学院総合国際学研究院准教授. 研究分野:20世紀のロシア文化、特に詩文を専門とする。
著作:マリーナ・ツヴェターエワの創作活動に関する論集『マリーナ・ツヴェターエワ』(未知谷 2006年12月)。
翻訳:アルセーニイ・タルコフスキー『白い、白い日-アルセーニイ・タルコフスキー詩集』, アンドレイ・クルコフ『大統領の最後の恋』(小説)、 リュドミラ・ウリツカヤ『通訳ダニエル・シュタイン』(小説)その他。

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